「カジノは令和ニッポンの『囲い込み運動』だった件w」まとめサイト

「IR法は本来、統合型リゾートを整備する法律でしょ。どうしてカジノ一辺倒になるんですか!」
一喝した藤木幸夫 横浜港運協会会長との対談を昨年9月9日号の『サンデー毎日』で4頁、
『「カジノ」は街を滅ぼす!「異次元の劇薬」ではなく、持続可能な経済効果を!』と題してお届けしてから丸一年。
今年8月23日には「私がハードパワーと闘う」と1時間41分に亘って徹底抗戦を宣言する会見が行われました。
その深意を理解せずに相も変わらず『カジノありきのIRで21世紀の「文明開化」をYOKOHAMAから全世界に発信!』
と妄信w「意識高い系」NewsPicksな皆さんにお届けする
「不毛なカジノ是非論争を超えて」まとめサイト https://81plus.co.jp/yassy/mice
に続くまとめサイトVer.2

NEW
迷走必至なYOKOHAMAカジノ問題に関して
10月12日 TOKYO MX「田村淳の訊きたい放題!」で
国際カジノ研究所主宰の木曽崇氏と徹底討論しました。
文字起こし・動画はこちらです。
https://nippon2014be.hatenadiary.jp/entry/2019/10/13/095518

予告
怒るべくして起こった人災「JR北陸新幹線車両基地水没」も含めて
「間違いだらけの日本の治水・治山」に関し
堀江貴文「八ツ場ダム守護神」信者でも理解可能な解説を
以下の番組で行いますのでお聞き逃し・お見逃しなく!
10月19日(土)TBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」(09:00~)
09:25前後から「常連さんに聞いてみよう」のコーナーで20分ほど解説します。
10月22日(火)㊗ TOKYO MX「モーニングCROSS」(07:00~)
07:35過ぎから「オピニオンCROSS neo」のコーナーで8分ほど解説します。
田中康夫メディア情報 https://81plus.co.jp/yassy/media
~ただ単にやめれば良いのでなく、新しい治水のあり方を示す~「脱ダム政策の哲学と実践」まとめサイト
https://81plus.co.jp/yassy/dam
間違いだらけの日本の治水・治山まとめサイト
https://81plus.co.jp/yassy/forest

8月23日横浜港運協会 藤木幸夫会長 会見動画

https://www.youtube.com/watch?v=HU8YDwzxfSk&feature=youtu.be&fbclid=IwAR1gNCpiYZYofVUYiK7bm3-MhES3zj59CiJ2itC1hWlNqnyp3Ro7IAazTDU

「港の見える丘公園」がお好きですか? それとも「カジノの見える丘公園」をお望みですか?

「田中康夫の新ニッポン論」Vol.75「カジノの見える丘公園」 「VERDAD」2019年10月号

PDF>>>PDF

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本文原稿はこちらをクリックすると全文が表示されます。

「港の見える丘公園」がお好きですか? それとも「カジノの見える丘公園」をお望みですか?

紛糾する「横浜カジノ問題」にTVで触れると、「お前は何時からハコモノ行政マンセー派に転向したのだ!」と笑止千万な脊髄反射メールが届きました。

情弱な御仁は「クルーズ船も横付け可能な保税地域の山下ふ頭に(会場面積で世界77位と10万平米にも満たない東京ビッグサイトを超えて)他国に伍する25万平米規模の見本市展示場を民設・民営で設けるハーバーリゾートこそ、持続可能な雇用と活力を地元に生む」と力説し、今や“横浜のマハティール・ビン・モハマド”に擬せられる藤木幸夫日本港運協会副会長の卓見が理解不能なのです。

47万平米のハノーバー、40万平米の上海、37万平米のフランクフルト、35万平米のミラノには及ばぬものの、実現したなら24万平米のパリ、シカゴより広く、広州、雲南省の昆明(クンミン)、ケルン、デュッセルドルフに次ぐ世界9位。だだっ広い「ハコモノ」は、関東大震災クラスの大災害時に「ノアの箱舟(ひなんじょ)」として活用可能。96年前、横浜市の死者は2万5千人。5倍の人口だった東京市は陸軍本所被服廠(ひふくしょう)跡地での犠牲者を除くと2万8千人。半農半漁の寒村が「文明開化」で国際港湾都市へと変身した歴史の中で殆ど語られていない惨劇です。

カジノありきのIR統合型(インテグレーティッド)リゾートは迷路のような建物内で宿泊も食事も完結させる「令和の囲い込み運動(エンクロージャー)」。藤木氏が牽引するYHR横浜港ハーバーリゾート協会の構想は対極です。出展者や来場者は中華街に出掛け、近隣のホテルで商談や宴会を行い、その間に伴侶や子供や祖父母もエンターテインメントを楽しめる、売り手・買い手・世間の「三方良し」。

ゴールドラッシュに沸いた19世紀半ばに“命の洗濯場所”としてネバダ砂漠に誕生したラスヴェガスが、世界最大のCES全米家電見本市、IBMやアップルの新製品発表会を誘致し、バリー・マニロウ等のショーも充実させ、1973年に浜田幸一氏が5億円を擦った往時から「ファミリー・デスティネーション」へと変貌を遂げた教訓にも学んだ上での構想です。

冒頭のメールには「したり顔でカジノの素人が語るな」と叱責の言葉も記されていました。お言葉ですが、ドナルド・トランプが「囲い込み運動」で大火傷を負ったアトランティック・シティこそ未訪問なれど、計10ヶ国11箇所のカジノに足を踏み入れた経験を有します。ラスヴェガス、マカオ、シンガポール、オーストラリアのパース、モナコのモンテ-カルロ、フランスのリヨン、イタリアのカンピオーネ・ディタリア、南アフリカのサンシティ、アゼルバイジャンのバクーetc。

バクーは、オリガルヒと呼ばれるロシアの富豪がシロヴィキと呼ばれる高官を「接待」する場所として、映画『007 ワールド。イズ・ノット・イナフ』に登場。雇った「プロ」がディーラーと示し合わせて敢えて負け、「合法的」資金洗浄(グリーン・ウォッシュ)を完遂する仕組が描かれます。他方、艶麗(えんれい)な女性が「待機」する夜總會(やそうかい)とセットで中国の高官を富裕人士が「接待」していたマカオは好事魔多し、習近平の腐敗撲滅運動で失速気味です。

欧州には、1638年から営まれる世界最古でジャコモ・カサノヴァも通ったイタリアのヴェネチア、マレーネ・ディートリッヒが「世界で最も美しいカジノ」と称揚したドイツの温泉保養地バーデン=バーデンに象徴される、モナコのモンテ-カルロとも趣を異にする小振りで上品なサローネが存在します。ギンギラギンな東南アジアのカジノを公費で視察して半可通(はんかつう)を気取る公人が知らない世界。

国際カジノ研究所主宰の木曽崇氏曰く、5千億~8千億円を外資カジノ事業者は投資するから日本企業側も同程度を出資せねば産業として根付かないと明言。ありゃま、「カジノの見える丘公園」は、持続可能な成長戦略として実現可能かな?

黒船軍団の利権「囲い込みカジノ」は巨大温泉ホテルと同じオワコンだ!
公金で海外視察の国会議員と真逆な自腹主義のYa‘ssy、10ヶ国のカジノ体験に基づき、井川意高氏とは異なる視点で看破!

特別寄稿「田中康夫の『だから、言わんこっちゃない!』出張版」 「出版人・広告人」2019年10月号

PDF>>>PDF

https://81plus.co.jp/yassy/wp-content/uploads/2019/10/f555717e4e9d34000eab17b325321b90-1.pdf

<文中で言及しているYa‘ssyが訪れた10ヶ国11箇所のカジノに関する補足説明>
ラスヴェガス(アメリカ)
マカオ(中国)
シンガポール(シンガポール)
パース(オーストラリア)
サンシティ(南アフリカ)
バクー(アゼルバイジャン)
モンテ-カルロ(モナコ)
リヨン(フランス)
バーデン=バーデン(ドイツ)
ヴェネチア(イタリア)
カンピオーネ(イタリア)
計10ヶ国11箇所
一番最後のカンピオーネはルガーノ湖畔のスイス領内に位置するイタリアの飛び地。
カジノCampione d’Italiaは昨年7月に破綻。
五輪招致に際して電通がローザンヌに設立した子会社の不明朗な経理に関してスイスの検察当局が、フランス側からの捜査協力の依頼に応じたように、EU未加盟のスイス領内の飛び地で行われていたマネーロンダリングの摘発が近年は厳しくなったのが遠因とも伝えられています。

10ヶ国11箇所に加えてアヌシー(フランス)、バース(イギリス)ブライトン(イギリス)。ミラノ(イタリア)
の計11ヶ国15箇所にも訪れていたのを失念していました。
最後のミラノにはコモ湖畔も含めてカジノが計10箇所存在しますが、その何れもスロットマシンのみで、
ルーレット、ブラックジャック、ポーカー、バカラ等のテーブルゲームは扱っていません。

『サンデー毎日』2018年9月9日号 藤木幸夫・横浜港運協会会長との対談 『「カジノ」は街を滅ぼす!「異次元の劇薬」ではなく、持続可能な経済効果を!』

https://81plus.co.jp/yassy/wp-content/uploads/2018/08/4f0a426ff3f4d0532d27a42cd27d20a1-1.pdf

YouTube公式チャンネル「だから、言わんこっちゃない!」を始めとする
2019年10月よりも前にアップした「カジノ論争」関連の拙稿、動画、フリップetc.は
「不毛なカジノ是非論争を超えて」まとめサイト https://81plus.co.jp/yassy/mice
でご覧頂けます!


関連記事へのリンクは順次更新していきます!

「朝日新聞」世論調査 2019年10月1日
横浜のカジノ誘致、64%が反対 朝日新聞横浜市民調査
https://digital.asahi.com/articles/ASM9Z3S9VM9ZUZPS002.html?_requesturl=articles%2FASM9Z3S9VM9ZUZPS002.html&rm=577
横浜市民世論調査-質問と回答〈9月28、29日〉 無料記事w
https://digital.asahi.com/articles/ASM9Z3S64M9ZUZPS001.html?iref=pc_extlink
カジノ「一方的決定」に市民の不満 世論調査 2019年10月2日
https://digital.asahi.com/articles/ASMB152W7MB1ULOB01M.html
横浜カジノ「反対」64% 市民対象に朝日新聞社世論調査
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14201684.html
IR誘致どう考える 横浜商工会議所・川本守彦副会頭 2019年9月29日
https://digital.asahi.com/articles/ASM9T7G0VM9TULOB011.html?_requesturl=articles/ASM9T7G0VM9TULOB011.html&rm=299
私はギャンブルは大嫌い、カジノも嫌い。それでも横浜にはカジノを含む統合型リゾート(IR)が必要だと考えています。
横浜の将来を考えると「オール横浜」で新たな事業を創出することが必要です。IRはその大きな起爆剤になります。
IRにカジノは必要不可欠なのです。IR=カジノ=ギャンブル依存症という話のみで語られがちです。新聞でいうならば、社会面だけでの議論です。我々としてはバランスよく議論したい。

神奈川新聞
「神奈川新聞」「JX通信社」合同「市民意向調査」2019年9月17日
IR誘致、自民支持層の45%、公明支持層の62%が反対
https://www.kanaloco.jp/article/entry-195997.html
社説 IR意向調査 民意を重く受け止めよ
https://www.kanaloco.jp/article/entry-195816.html
IR推進協議会設立へ 横浜商議所「依存症増えない」 2019年9月27日
https://www.kanaloco.jp/article/entry-198064.html
出直し選「不要」と市長 「白紙」で3選、市会から批判 2019年9月27日
https://www.kanaloco.jp/article/entry-198063.html
「経済界からは(IRを)何としてもやってくれと言われている」「東京が手を挙げることになれば、ものすごく有力。反対意見が多い中でしかし、ここで進めていかなければ始まらない」と誘致の意義を強調。

毎日新聞
ハマのドン 藤木幸夫・横浜港運協会会長、ほえる カジノ誘致に官邸の影
https://mainichi.jp/articles/20190912/dde/012/040/023000c
かつて波止場の労働者は貧しく、力仕事で汗にまみれ、世間からさげすまれることもあった。しかし今は「港湾人」として立派に社会に認められている。「死んだおやじやモッコを担いだ親方たちの声が聞こえるんだよ。『せっかく苦労してここまで来たんだ。多くの人を泣かせるカジノはお前たちの仕事じゃないぞ』って」

最近、身にしみるのは「戦前の空気と似てきたな」ということだ。「私がランドセルを背負っていた頃は戦争前夜だった。小学生の時、『なんか変だな』と思ったのを覚えている。お母ちゃんの指輪が金属供出で全部なくなり、西洋のお菓子は消え、女性は口紅をつけなくなった。市民は自由にものを言えなくなった。あの時代のにおいを感じてならない」カジノに絡む動きがその象徴だという。

「そもそも民主主義っていうのは、市民の声を大事にすることだろ。独裁政治じゃあるまいし、首相が何か言ったら、すべてその通りになるなんておかしいよ。自民党の横浜市議も党本部の意向に逆らえずカジノに賛成しているけど、市民の気持ちを知っているからオタオタしているじゃないか」「私は横浜でも最初の自民党支援者だよ。市民の声を聞かなくなったら、本来の自民党じゃない。そういう自民党は応援しない」

ドンの怒りのボルテージは上がる。「安倍さんもトランプさんも、せいぜい10年ぐらい政権を維持させればいいんでしょ。でも横浜に住む自分たちは何十年、何百年先が大事なんだ。目先の利益だけでかき回されたらたまらないよ。将来の港に大きな汚点を残すことは許さない」IRの建設予定地とされる山下ふ頭には、藤木氏がまとめる荷役会社などがある。立ち退きに応じるつもりはなく、他の地権者も同じ気持ちだという。

「道路や橋を造ろうってんなら分かる。ばくち場をつくろうってんだからね。ばくち場をつくるからどいてくださいって言われて、どけますか? 体を張って阻止するしかないでしょ」IRの誘致は今一度、立ち止まってじっくり議論する必要があるのではないか。


神奈川新聞
新劇場構想に批判噴出 横浜市長肝いり事業 2019年9月25日
https://www.kanaloco.jp/article/entry-197603.html
事業自体に疑問を呈したのは遊佐大輔氏(自民党・無所属の会)。「約500人の有権者に聞いたが、賛成は1人だけだった。なぜ、こんなこと(劇場整備)をいきなりやるのか」と指摘。
社説 横浜市の新たな劇場整備 市民の理解が不可欠だ
https://www.kanaloco.jp/article/entry-175497.html

産経新聞
IR誘致で横浜市、白紙の裏で「お膳立て」 依存症対策、具体性欠く 2019年10月1日
https://www.sankei.com/region/news/191001/rgn1910010028-n1.html
IR
基本方針案、11月にも公表 自治体誘致加速へ 2019年8月5日
https://www.sankei.com/economy/news/190805/ecn1908050003-n1.html
横浜商議所、来月にもIR推進協議会設立 2019年9月28日
https://www.sankei.com/region/news/190928/rgn1909280014-n1.html

毎日新聞
川本守彦・横浜商議所副会頭 人口減で新事業必要 2019年9月14日
https://mainichi.jp/articles/20190914/ddl/k14/020/040000c?pid=14516
横浜が持続的に発展し、住みやすい街を維持していくためには、新しい事業を創出することが必要だ。国策で進めているIRに手を上げない手はない。
横浜のシンボル的な、歴史を象徴する建物になってほしい。
藤木幸夫・横浜港運協会会長 街の品格や家庭失う 2019年9月16日
https://mainichi.jp/articles/20190916/ddl/k14/020/030000c
政府公認のカジノがあるシンガポールに5年いた知人は、カジノを原因に自殺した人が複数いたと教えてくれた。人が血を流してもうけた金で、少子高齢化時代の財政の基礎を作ろうなんていう考えを自治体が持つことは寂しい。
このままIRを誘致すれば、開港200年を迎える40年後の将来に「あの時、港運協会会長だった藤木がしっかり反対してくれてたらこんな横浜港になっていなかった」と振り返られるのは火を見るより明らかだ。港の先輩や後輩たちに顔向けができないことはしたくない。だから我々は退去しない。私はカジノ反対に命を懸けている。
山下ふ頭は他に使い道がある、収益性もあるというのが協会の考え方だ。市は経済的に得るものの計算ばかりしているが、失うものの計算もしなくてはいけない。街の品格、イメージ、家庭。みんな失ってしまう。それを犠牲にしてまで、金はいらない。
カジノ誘致反対横浜連絡会・菅野隆雄事務局長 住民投票行うべきだ 2019年9月26日
https://mainichi.jp/articles/20190926/ddl/k14/020/037000c
横浜市の特徴として、人口移動の激しさがある。小児医療の無償化や市立中学の給食をはじめ、子どもに対する施策は非常に薄く、遅れている。子ども施策が充実している市町村に人口が流出する現状がある。このような市政の問題点を抜きにしてIRを誘致することがいいのか
国吉直行・横浜市立大客員教授 市は街の未来像示せ  2019年9月30日
https://mainichi.jp/articles/20190930/ddl/k14/020/042000c
SDGs(持続可能な開発目標)をうたう時代にカジノをどう評価するのか。カジノがあるという都市の姿が、果たして最終ゴールなのだろうか。経済至上主義だけが目標ではないはずだ。他国の都市が目標とし、「イノベーション都市」を掲げる横浜に、カジノは異質。
横浜はこれまで国の事業をうまく巻き込み主体的な戦略を持って街づくりをしてきた。「飛びつかなければ損」という考えかもしれないが、周辺地である山下ふ頭も、関内地区の活動とリンクさせるべきで、無関係の別世界ができるのはよくない。

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